結婚を「人生の墓場」にしないパートナーの選び方

コラムニスト/主婦

深爪(ふかづめ)

 

 

 

2012年11月にツイッターにアカウントを開設。独特な視点から繰り出すツイートが共感を呼び、またたく間にフォロワーが増え、その数17万人超(2019年10月現在)。主婦業の傍ら、執筆活動をしている。主な著書に「深爪式 声に出して読めない53の話」「深爪流 役に立ちそうで立たない少し役に立つ話」(ともにKADOKAWA)。また、女性セブン小学館)にて隔週コラム「立て板に泥水」を連載中。芸能、ドラマ、人生、恋愛、エロと、執筆ジャンルは多様。

Twitter@fukazume_taro

「結婚相手の選び方」でネット検索すると「理想の夫(妻)になる人の特徴7選」とか「後悔しない相手を見極める10のポイント」などと銘打った婚活サイトが山ほど出てくる。

だいたいが「経済的に安定している」「性格がいい」「価値観が合う」みたいな条件が羅列されているのだが、その手の記事を読むたびに「いや、そんなふわっとしたこと言われてもピンとこねえわ」とモヤモヤしてしまう。

そこで今回は、私が長年培った血と涙と汁まみれの経験を元に、より具体的かつ実用的な“結婚を人生の墓場にしないパートナーの選び方(男女共通)”をお伝えしたい。

すべて文末に「※個人の感想です」をつけてお読みいただければ幸いである。

顔が好き

 

「恋愛と結婚は違う。イケメン無職よりもブサメン富豪と結婚すべし」みたいな話を聞くが、恋愛はともかく、こと結婚に関していえば相手は顔で選ぶべきだと私は思う。

「ブスは3日で慣れる」に騙されてはいけない。ブスは決して慣れない。セックスの時には「導入からフィニッシュまで後背位オンリーで済ませる」とか「常に顔の上に枕を乗せておく」といった対策を講じることもできるが、朝から晩まで常に相手の頭に紙袋をかぶせておくわけにはいかない。

おはようからおやすみまで暮らしを見つめるブスと共に暮らしていかなければならないのである。

これは相当の精神力が必要だ。

別に美男美女と結婚すべしと言っているわけではない。自分好みの顔を持つ人を選べばいいだけである。

一緒に暮らすようになれば「トイレのフタがいつも開けっ放し」といった些細なことから「実は隠し子が20人いた」のような重大事案に至るまで、大なり小なりさまざまな不平不満が必ず出てくる。

そんなとき、相手の顔が好きならばなんとなく許せてしまうことも、ブスだと殺意がわいてしまうのが人情だ。人間中身が大事というが、こと一生の伴侶に関していえば顔が大事。

ストレスのない毎日を送るという意味でも、やはり「顔が好き」というのは重要ポイントなのだ。

 

自分のことが自分でできる

 

ツイッターを眺めていると、毎日のように「何兆回言っても、脱いだ靴下を裏返しにしたまま洗濯機に突っ込む」「インフルで寝込んでいるのに『俺の飯は?』と催促してくる」「使ったコーヒーカップは自動的に片付くと思っている」といった「自分のことが自分できない夫」に関する愚痴が流れてくる。

この手の男性と結婚すると、入籍した途端に「子育て」をするハメになるので危険だ。

付き合い始めのころは、服がヨレヨレだったり使った食器を放置していたりしても「んもう!子供みたいなんだから!」とむしろ萌えポイントとして加算されるかもしれないが、それが毎日続けばストレスでしかない。

ちなみに3児の母である私の友人は、家事育児を一切しない旦那さんのことを「名誉長男」と呼んでいる。夫と考えるとイライラするので子供とみなすことにした、と言っていた。もはや悟りの境地である。

また、「自分のことが自分でできる」には「自分の機嫌を取ることができる」も含まれる。

これは女性に多くみられるが、不機嫌を全面にアピールした挙句、「なんで私が怒ってるかわかる?」とクイズを出してくるタイプには気を付けた方がいい。「わからない」と言えば「なんでわからないの!」とキレられるし、正解を出せば「わかってるならなんでちゃんとしないの!」とキレられる。

結局、不満をぶつけたいだけなのである。そして、この手のタイプは得てして「察してちゃん」でもある。

具体的に要求は口にしないくせに、こちらが察して行動しないとブチ切れる。エスパーでもない限り、この手の人間と結婚するのはオススメしない。

ちなみに、私は「正解」が出ないとイライラするので察することは求めないし、「乳首は強めに転がしてほしい」などと相手には常に具体的な要求をするようにしている。双方ストレスがなく、非常に快適である。

身障者専用駐車場に車を停めない

 

昔、ちょっといいなと思っていた男性に「某駅ビルの駐車場、いつもいっぱいで入口から遠いところしか空いてないんだよね」と愚痴ったら、「身障者専用に停めればいいじゃん。あれ、いつもあいてるよ!とめっちゃお得な裏ワザのように教えられたことがある。

心底驚いたし、それまでの好意は一瞬にして消えてしまった。

どんなにイケメンでも、ゴミのポイ捨て路肩走行身障者専用駐車場に車を停めるみたいなことを平気でする男には恋愛感情を抱けない。

これらの行動からは「自分さえよければモラルなんか関係ねえ」が透けて見えるし、他の場面においても非道な自己中心性を発揮する可能性があると考えるからだ。

つまり「身障者専用駐車場に車を停めるような人間は、高確率で浮気する」と言っても過言ではない。

風が吹けば桶屋が儲かる的なこじつけにも見えるかもしれないが、あながち間違いではないと思うのだ。

財布がクーポンでパンパンになっていない

 

ツイッターで「デートの時に割引クーポンを出す男は最低」という話題になったとき、「クーポンを使う男、いいじゃない。節約意識がしっかりしている証拠だし、結婚相手には最適でしょ」という意見があった。

たしかに浪費家よりは節約家の方が結婚相手にはふさわしいだろうが、財布がクーポンでパンパンになっているような人には気を付けた方がいい。

そもそも「節約」とは目的ありきの行動である。旅行費用、子供の塾代、老後の蓄えのためなど、節約して捻出したお金の用途が存在するものだ。

しかし、節約意識が高すぎるあまり、節約自体が目的になってしまうタイプがいる。クーポンの使える店まで遠出するために電車賃を使う、といった本末転倒も厭わない。

おそらく彼らには「クーポンを使うと得をするが、使わないからといって損をするわけではない」という観点が抜けているのだろう。財布をクーポンでパンパンにするような人はもはや節約マニアである。

この手の人と結婚すると、「え?大根298円もしたの?向こうのスーパーは285円だったよ」などとネチネチ言われる可能性が高い。

控えめにいって地獄である。

会話がなくても居心地が悪くない

 

独身の頃は「共に笑い、共に悩み、支え合いながら暮らす」みたいなのが理想の結婚だと思っていたが、近ごろは「互いに干渉せず、自分の世界を守ることができ、ときおり性器の交流をする」みたいなのが最高の結婚なんじゃないかと思うようになった。

私たち夫婦の会話は、1日10分あればいい方だ。

すべての家事を終えたあと、炭酸水にレモンを絞ったものを片手に好きなお笑いや映画を観るのが私の至福の時間である。一方、夫はゲーム三昧。会話は一切なく、傍から見れば冷めきった夫婦のように見えるだろうが、これが非常に快適なのだ。

結婚は共同生活ではあるが、ひとつ」になることを望む相手だと息苦しくなってしまうかもしれない。

友人から「夫が自分の趣味に付き合わせようとするのが苦痛」と愚痴られたことがある。旦那さんは登山が趣味で、毎回「一緒に行こう!山は素晴らしいよ!」と目をキラキラさせて誘ってくるという。虫嫌いの彼女にとって山は地獄だと説明しても、あれこれ理由をつけて粘るらしい。旦那さんとしては、自分が素晴らしいと思うものを妻にも味わってほしいという一種の愛情なのだろうが、有難迷惑なのだ。

お互いがそれぞれ自分の世界に没頭でき、たとえ会話がなくても居心地が悪くない関係を築けるというのは、長きにわたる結婚生活を快適に過ごすためには非常に重要なポイントになるだろう。

結婚すれば幸せになれるのか

婚活にいそしむ人の中には「とにかく結婚できればオールオッケー」を思っている人も少なくないのではないだろうか。

「結婚すれば幸せになれる」という発想は地獄への第一歩だと、私は思っている。

上記条件のそろった相手と運よく巡り会えたとしても、関係を維持する努力をしなければすぐに破綻してしまう。

いい土壌を用意したところで、

世話を怠ればキレイな花は咲かないのだ。

結婚しても「赤の他人と生活をしている」という緊張感は持ち続けた方がいい。

夫婦における揉め事の多くは相手を「身内」とみなすことによる「甘え」が原因だと、私は考えている。

「家族なんだからわかってくれるだろう」という「甘え」だ。

よって、この手の過剰な期待や「自分なら相手をコントロールできるはず」といった幻想を捨て、ビジネスライクに対応することはとても大切だ。ちなみに、私はなにかにつけて夫を「取引先」だと思うようにしている。

イラついた時には事務的に接することで冷静さを取り戻せるし、また、円満な時も「ああ、取引先とこんなことを」と夜の興奮も倍増するのでいいこと尽くしである。

ラブラブチュッチュの結婚生活を想像する人たちにとってはまったくもって夢のない話をしてしまったが、結婚を人生の墓場にしないためにも、ぜひ心の片隅にそっとしまっておいてほしい考え方なのである。